いやいや期のメカニズムと対応のコツが分かる!
1~2歳児の保育をしていて、子どものいやいや期の対応に悩んでいる先生はいませんか?
1歳児~2歳児クラスの担任をしていて最も悩ませるといっても過言ではない、
「魔の2歳児」とも言われるいやいや期。
子どもたちに「いや!」と言われることが続くと気持ちも落ち込んでしまいますよね。
私も現在1歳児クラスの担任ですが、食事やオムツ交換の際に子どもを呼ぼうとして、
とっと 「○○ちゃ…
子ども 『やだよー!!』(食い気味)
とっと (撃沈)
となることが多々あります。笑
そんな私でしたが、毎日子どもたちの「いや!!」と向き合ってきて気付いたことがあります。それは、
「いやだという気持ちを受け止めること」「いやな理由を考えること」
がいやいや期の子ども対応で大切だということです。
子どもの気持ちを受け止めながら対応していくことで、
子ども自身が納得して場面の切り替えができることが増え、
子どもの「いや」の理由を考えて知ることで、
自分も気持ちに余裕を持って子どもに対応できるようになりました。
そこで、今回は私の経験談・エピソードも混ぜながら
を紹介したいと思います。
Contents
いやいや期はなぜやってくる?
いやいや期は成長過程のひとつで、自我の発達による自己主張が強く現れてきます。
この時期の子どもは
・自分の気持ちをどう言葉にすればいいのか、表現すればいいのかわからない
・感情のコントロールができない
そのため「いや」という言葉や態度になってしまいます。
子どもはいやいや期の始まりによって、
他人との関わり方や自分の感情の表現や抑え方を学び、
失敗を重ねながらも身の回りのことを自分でできるようになっていきます。
いやいや期は子どもたちが自立をしていくための大切な時期なのです。
いやいや期はおよそ1歳半頃から始まり、2歳頃にピークを迎え、3歳頃には落ち着くと言われています。(始まりや終わりの時期は個人差があります)
「いや」の理由ってなに?対応法も紹介
①関心を惹くための「いや」
大人の反応を楽しんでいるパターンです。
してはいけないことと分かっていながらわざとやっていることもあります。
これは実習生や新人保育士さんにありがちなのですが、
子どもに「やだよー!」と逃げられた際、「こら!!」と追いかけたりしていませんか?
これは「逃げたら追いかけてもらえるんだ」と子どもは思ってしまい、同じことを繰り返すことになってしまうので、対応として良くないのです。
過度に反応せず、毅然とした態度でしてはいけない理由を説明する
ことが大切です。
②ものへのこだわりの「いや」
同じおもちゃでも、保育士が持ってきたものではなくお友達が使っているものがいい。
この色がいい、この形がいい、このキャラクターがいい。
この組み合わせで洋服が着たい、右足から靴を履きたい、この順番でやりたい。
などこだわりからくる「いや」です。
大人からしたら、理解しがたい部分があるかもしれません。
しかし、慣れてくるとかわいいなと思えてきますし、子どもひとりひとり個性があって面白かったりもします。
子どもの好みが分かったうえで関わると、
「この人は自分のことを理解してくれている」と子どもが感じて、信頼関係が築けるひとつのきっかけになったりもします。
なのでとことん付き合ってあげることが大切です。
①「これがよかったんだね」と共感しながら「これは今お友達が使っているから」きちんと理由を説明する。
②「このおもちゃはどうかな?」といった代替案や「時計の針が10になったら貸してもらおうか」など先の見通しを示す。
③人へのこだわりの「いや」
登園時に保護者と別れる際、「ママがいい」「パパがいい」と子どもたちが泣いてしまうこと、ありますよね。
また、自分ではなく「○○先生がいい!!」と子どもに言われたことがある先生はいませんか?
これは若手の先生あるあるだと思います。
実際に私もそうでしたし、私の同期や後輩でも、「○○先生がいい!!」と言われている姿をよく見てきました。
特に私が現在担任している1歳児クラスは、半分が0歳児の時からの持ち上がりで担任をしているため、持ち上がりではない職員は進級したての4月はとても苦労していました。
これは仕方のないことで、1歳児~2歳児の担任あるあるであり、
特に新人の保育士は誰もがぶつかる壁でもあります。
こちらも物のこだわり同様、
共感と理由の説明、代替案や見通しを示すことが大切です。
④自分でやりたい!の「いや」
「いや」というと拒否を示す言葉だと思うかもしれません。
ですが、先ほど紹介した通りこの時期の子どもは自分の気持ちをうまく言葉で表現できないため、「いや」という表現になってしまいます。
そのため、片付ける、着替え、靴を履く、といった行為も
“やりたくない”の「いや」ではなく、“大人に介助されず、自分でやりたい!”の「いや」だったりします。
その時はとことん付き合って、子どものやってみたいという気持ちや頑張りを見守ってあげることが大切です。
時間がかかってイライラしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、できてもできなくても頑張りを大人に認めてもらうことで子どもは成長していきます。
大人がむやみやたらに介入してしまうと「自分のやり方で、自分でやりたかったのに!」と癇癪を起してしまう原因になります。
危険が伴ったりする場合はすぐに介入して「これは怪我してしまうから、こっちでやろうね」と代替案を出してあげてください。
いやいや期の対応・接し方のコツ
冒頭でも話しましたが子どものいやいや期の対応で大切なのは
「いやな理由を考えること」「子どもの気持ちを受け止めること」
この2つです。
「いやだった」という自分の気持ちを受け入れてもらいながら、自分が納得できるようになっていくことで、子ども自身が感情のコントロールができるようになったり、他人の感情がわかったりしていきます。
そして先ほど言った、次の見通しを示す、代替案を提案する、「○○と△△どっちがいい?」と選択肢を与えてあげることで、自分で考え気持ちを切り替えられるきっかけとなるでしょう。
そして、以下のような対応はしないように注意ください。
「ダメ」と否定をしたり、感情的に怒ったりしてしまうと、「怒られた」というマイナスイメージを抱いてしまい、そこから学ぶことができなくなってしまいます。
また、脅しや命令、交換条件なども同様で、
ルールを守る=「怒られない」「お菓子がもらえる」
になってしまい、自分で感情をコントロールすることとは遠ざかってしまいます。
なので、上記の対応は相応しくないのです。
まとめ
以上、子どものいやいや期について紹介しました。
いやいや期の子どもの対応は大変なことが多いと思いますが、少しずつ身の回りのことを自分でできるようになったり、おしゃべりが上手になったりしていく姿はとてもかわいいものです。
成長しているんだな、と受け止めて、温かく見守ってあげてくださいね。