乳児院の概要と、乳児院で働く保育士の仕事内容が分る!
「乳児院」という施設を知っていますか?
乳児院とは、様々な理由によって家庭での生活が困難である乳児が生活する施設です。
保育園との大きな違いは、乳児院は乳児の「生活の場」であり「家庭」となります。24時間体制で子どもたちを「育てていく」ことになります。
乳児院は保育士の資格があれば、保育士として働ける現場のひとつでもありますが、ほとんどの人は乳児院がどんな場所なのか、イメージが沸かない人も多いと思います。
そこで今回は、学生時代に乳児院の実習の経験や見学を行ったことのある私の経験も踏まえて、
を紹介したいと思います。
Contents
乳児院とはどんな施設なのか?
乳児院とは
乳児院とは、以下のように定められた児童福祉施設です。
「乳児院は、乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には幼児も含む)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする。」
基本的には乳児を養育する施設ですが、実際には様々な理由により家庭から離れて生活する2歳以上の子どもが在籍していることも多く、乳児院によっては3歳児以上の在籍児の中に重い障害を持っている子どももいます。
(実際に私が実習に行った乳児院でも、2歳以上の子が在籍している乳児院がありました。)
入所の理由
様々な理由で乳児院に入所してくる子どもたちですが、
近年乳児院の入所理由の多くを占めるものは
・母親の疾病(中でも精神疾患の割合が最も多い)
・保護者の虐待やネグレクト(育児怠慢・育児放棄)
のケースが増加しています。
乳児院と保育園の違い
冒頭でも説明しましたが、乳児院に入所している子どもたちは保護者と離れ、家庭から離れて乳児院で生活しています。
乳児院で働く保育士は24時間体制で子どもたちの養育を行うため、
夜勤の勤務があることが保育園の保育士との違うことのひとつです。
また、保育園の乳児クラスは複数担任制がほとんどですが
乳児院の場合は保育者が受け持つ子どもを決める、担当養育制となっています。
また、1グループ10人未満といった小規模での養育を行っているとことがほとんどなので子どもたちと密接に関わることになります。
そして、乳児院には保育士以外にも様々な専門職の職員が働いています。
乳児院で働く保育士は様々な専門性を持った職員と連携していきながら子どもたちの療育を行っていきます。
そのため、保育園の保育士に比べて様々な方面において専門の知識が必要となります。
乳児院で働く保育士の仕事内容
乳児院で働く保育士の1日の流れはおおよそこのようになっています。
6時過ぎ:起きた子どもたちから順次の検温・着替え介助
7時過ぎ:朝食の介助
8時過ぎ:夜勤の保育士から日勤の保育士へ引継ぎ
9時~11時頃:自由遊び・散歩・外気浴・沐浴
11時過ぎ:昼食介助
12時過ぎ:午睡 寝かしつけ
※早番・日勤:12時過ぎ~14時の間で引き継ぎ、休憩
14時過ぎ:起きた子どもたちから順次の検温、オムツ交換 おやつ介助 自由遊び
16時過ぎ:入浴介助、夕食介助 自由遊び
18時過ぎ:就寝 寝かしつけ、夜勤の保育士に引継ぎ
19時過ぎ~:5分~15分おきに巡回、記録の記入等
※夜勤:0時~3時の間で120分、仮眠を取ることが多い。
5時過ぎ~:朝食や着替え、検温等の準備 起きてきた子どもに付く
おおよそこのような流れとなっており、新生児に関しては子どもひとりひとりに対して順次オムツ交換や授乳、寝かしつけを行っていきます。
乳児院で働く保育士のやりがい
乳児院で働く保育士のやりがいは、
子どもたちにとって一番身近な存在でいられるということです。
乳児院の保育士は自分の担当の子どもたちの親代わりとなって養育を行うため、
担当の子どもたちが心身共に成長していく姿を一番近くで見ていく
ことになります。
乳児院に入所する子どもは病気や障がいを抱えている子や、虐待やネグレクトを受けてきた子どもなどがおり、配慮しなければならないことが多いです。
ですが、子どもたちと愛着関係を築いていき、成長を支えていくために日々尽力していく乳児院の保育士のやりがいは大きいでしょう。
私も乳児院の実習で担当の子どもがついたのですが、たった1週間だけでも子どもが自分のことを認識して、自分のことを追いかけてきたり、離れると泣いたりと甘えてくる姿がありました。
初めは泣いてしまうことが多かった担当児が、日に日に笑顔を見せてくれたり、離乳食を食べられるようになったり、寝返りができるようになったりと成長していく姿を見られた時は、喜びがとても大きく、今までに経験したことのない嬉しさでした。
まとめ
乳児院は大変なことも多いですが、やりがいの多い仕事です。
興味を持った方は、求人等を探してみたり、実際に見学に行ってみたりするといいかもしれませんね。